アンバー・グレン、世界選手権で悔しい6位 「心も体も限界」それでも語った今季の確かな手応え
フィギュアスケートの世界選手権女子フリーが27日(日本時間28日)、チェコ・プラハで行われ、ショートプログラム(SP)3位と好位置につけていた米国のアンバー・グレン(26)は、フリーで思うように得点を伸ばせず、総合6位で大会を終えた。メダル争いの中心にいながら、あと一歩届かなかった。
SPでは安定感のある演技で表彰台圏内につけ、フリーでの巻き返しに期待が高まっていたグレン。しかし本番ではジャンプや演技の流れに細かな乱れが出て、序盤から苦しい展開に。持ち味の勢いを最後までつなげることができず、順位を落とす結果となった。
競技後の取材では、悔しさを隠しきれなかった。
「最悪。正直、それ以外に言葉が見つからない」と率直な心境を口にし、「途中で集中が切れてしまった」と振り返った。
一方で、会場から送られた温かい声援には深く感謝していた。
「ファンのみんなのサポートや愛情、本当にうれしかった。観客のみなさんの応援にも感謝しています」と話し、苦しい演技の後でも支えとなった周囲の存在に言及した。
今大会を前に、グレンは体調面に不安を抱えていたことを明かしていた。SPで好発進を決めたことで、コンディションを整えながら結果を残せるか注目されていたが、フリーでは厳しい現実に直面した形だ。
その後、自身のX(旧ツイッター)を更新し、今季を総括するようなメッセージを投稿。まず「みなさん、たくさんの愛とサポートをありがとう。私は大丈夫です!」とファンを安心させたうえで、「浮き沈みの激しいシーズンを終えて、精神的にも感情的にも、そして身体的にも疲れ果てている」と、心身ともに限界に近い状態だったことを率直に打ち明けた。
それでも、グレンの言葉は前向きだった。
「6年前に自分に課した目標は達成できた。トリプルアクセルを成功させること、そしてオリンピックに出場すること。その事実は誰にも奪えない」
結果だけを見れば、五輪に続いて世界選手権でもメダルには届かなかった。しかし今季のグレンは、長く追い続けてきた大きな目標を現実のものにし、自身のキャリアに確かな足跡を刻んだシーズンでもあった。
悔しさの残る6位。それでも、その言葉の端々からは、ただ敗戦を嘆くだけではない強さがにじむ。大きな波を乗り越えながら戦い抜いた1年は、次のシーズンへ向けた確かな土台になりそうだ。