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セ・リーグDH導入で激変するドラフト戦略 大谷翔平が切り拓いた二刀流の未来とは

田島 恒一

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大谷翔平

プロ野球の風景が大きな転換期を迎えようとしています。来季からセ・リーグでも指名打者(DH)制が導入されることが決まり、各球団の編成担当者は戦略の再構築を迫られています。これまでパ・リーグ特有のものだった制度が全12球団に広がることで、特に注目されているのがドラフト戦術の変化です。

一般的には、守備に不安があっても打撃に秀でた長距離砲への需要が高まると予想されていました。しかし、大学野球の現場を歩くスカウトたちの視線は、それとは別の可能性を捉えています。あるベテランスカウトは、数年後のDH枠は打つだけではなく、投げて打てる二刀流選手に割り当てられるのが当たり前になるかもしれないと予言します。

これは、まさにドジャースの大谷翔平選手がメジャーリーグで見せている姿を、日本球界でもシステムとして定着させようとする動きです。「1番・投手」として先発マウンドに上がり、降板後もDHとして打席に立ち続ける。そんな起用法が、制度の統一によってより柔軟に行えるようになるのです。

実際にアマチュア球界では、二刀流を志す原石が次々と台頭しています。関西六大学リーグでは、2027年のドラフト候補である大商大の中山優月選手が投手兼野手として強烈な存在感を放ち、関東の東都大学リーグでも青学大の新井瑛太選手のような投手兼外野手の肩書きを持つ逸材が注目を集めています。

現場の指導者たちの意識も、ひと昔前とは様変わりしました。かつては早々に「どちらかに絞れ」と促すのが一般的でしたが、現在は本人の意志を尊重し、可能性を伸ばそうという流れが主流になっています。育成現場でのこうしたパラダイムシフトが、DH制の導入という追い風を受け、二刀流の価値をさらに高めていくことになりそうです。

セ・リーグへのDH制導入は、単に打線に野手が1人増えるという表面的な変化に留まりません。それは、投手と野手の分業制という野球の常識を塗り替え、才能の最大化を目指す新たな戦術枠としての再定義を意味しています。未来のスター候補を指名するドラフト会議の評価軸は、すでに大きな変革の時を迎えています。

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