巨人・甲斐拓也が二軍で磨く「捕手の矜持」山崎伊織とのコンビで一軍復帰へのカウントダウン
今季、ソフトバンク時代の2016年以来となる開幕二軍スタートを切った巨人の甲斐拓也捕手が、再起を期して己を追い込んでいる。大型契約で加入した主軸捕手の二軍合流は周囲に驚きを与えたが、当の本人は悲観することなく、静かに牙を研ぎ続けている。
ファームでの出場機会を小林誠司や坂本達也らと分け合う中、甲斐が取り組んでいるのは、一軍ではなかなか行わない過酷な特別メニューだ。ある日の練習では、反復横跳びとキャッチングを組み合わせた動きや、低い姿勢から瞬時に送球体勢を作る反復練習を黙々と消化。噴き出す汗を拭い、時折笑みさえ浮かべながら練習に打ち込む姿からは、ベテランとしての強い意地が感じられる。
指導にあたる田口昌徳二軍バッテリーコーチは、いつ呼ばれてもいい状態を維持させることを強調しており、試合と練習を両立させることで体のキレを落とさないよう徹底させているという。また、甲斐と小林という経験豊富なベテランが揃う二軍環境は、若手選手にとって至高の教材だ。田口コーチは、若手投手の育成も二人の役割と位置づけており、ベンチで積極的に声を出す二人の姿が、若手にプロとしての意識を植え付けていると明かす。
そんな甲斐の視線の先にあるのは、当然ながら一軍の舞台だ。現場では、特に右腕のエース候補・山崎伊織が甲斐とのコンビを熱望しているとの声も根強く、山崎が登板するタイミングに合わせた一軍昇格、いわゆるバッテリー昇格の可能性がささやかれ始めている。背番号10が流した汗が報われる日は、そう遠くないはずだ。