平野歩夢が明かしたミラノ五輪の死闘、複数箇所の骨折を乗り越え「生きて戻れたのが一番」
スノーボード男子ハーフパイプの絶対的エースとして知られる平野歩夢選手が15日、都内で行われたユニクロのトークショーに兄の英樹さん、弟の海祝さんと共に登壇し、今冬のミラノ・コルティナ五輪での激闘の裏側を語りました。前回大会の金メダリストとして大きな期待を背負って挑んだ大舞台でしたが、その道のりは想像を絶する困難の連続だったようです。
平野選手を襲ったのは、五輪を目前に控えた今年1月のワールドカップ第5戦でのアクシデントでした。着地の失敗により、股関節や鼻骨など複数箇所を骨折するという重傷を負いました。当時の状況について平野選手は、もっと激しく頭を打っていてもおかしくない転倒だったと振り返り、スノーボードの板に守られたことで致命的な事態は避けられたものの、体へのダメージは深刻だったことを明かしました。
負傷直後はアドレナリンの影響で動けたものの、時間が経過するにつれて激痛が襲い、トイレやシャワーといった日常生活すらままならない状態に陥ったといいます。五輪に向けてコンディションをピークに持っていくという理想のプランは全て崩れ去り、ベッドの上で回復を待つしかない日々。平野選手は、頭の中では不安が止まらないほど濃い時間だったと、当時の苦しい胸の内を吐露しました。
そんな絶望的な状況下でも強行出場を決断し、見事に7位入賞を果たした姿は、まさに王者の意地そのものでした。パフォーマンスを出し切らなければならないプレッシャーの中で、さらなる負傷のリスクとも隣り合わせだった今大会。平野選手は、最終的には順位や結果よりも、無事に生きて戻ってこれたことが何より大事だったと語り、これまでの競技人生においても、そしてこれからも記憶に残り続けるであろう壮絶な体験だったと締めくくりました。