井上尚弥の次戦相手にバムは現実的か?現役王者らが指摘するスーパーバンタム級残留の深層
世界スーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥が、5月の東京ドーム決戦を前に放った発言が波紋を広げています。自身のTikTokライブで、中谷潤人との大一番を終えた後も同階級に留まり、もう1試合を行う意向を表明したためです。この発言を受け、ファンの間ではパウンド・フォー・パウンド上位の常連であるジェシー・バム・ロドリゲスとの対戦を期待する声が急上昇していますが、プロの視線は少々冷ややかなようです。
日本フェザー級王者で世界ランクにも名を連ねる阿部麗也は、自身の公式動画チャンネルでこの話題に言及しました。ボクシングファンの多くがバムとの対戦を熱望している現状を認めつつも、阿部自身は「現実的ではない」と一蹴しています。その理由として挙げたのは、両者の現在地にある階級の差です。
バムは現在スーパーフライ級の3団体を統一しており、次戦でバンタム級に上げる予定があるとされていますが、井上の待つスーパーバンタム級まではまだ距離があります。阿部は、サウジアラビアなどの巨大資本が動けば急転直下で実現する可能性に含みを持たせつつも、スケジュールのタイトさを懸念材料として挙げました。
また、同席したトレーナーの粟田祐之氏も、井上のマッチメイクにおけるスタンスに着目しています。井上はこれまで「自分が最もモチベーションを保てる階級で戦う」と公言しており、そのためにフェザー級転向を急がず現在の階級に留まる選択をしました。それにもかかわらず、わざわざ下の階級から上がってくる選手を対戦相手に選ぶのか、という点に疑問を呈しています。
では、現実的なラストマッチの相手は誰になるのでしょうか。阿部が有力候補として名前を挙げたのは、IBF同級1位の西田凌佑です。西田はすでに挑戦者決定戦を制して指名挑戦権を手にしています。阿部は、IBFが規定に厳格な団体であることを強調し、組織のルールに則れば、西田との日本人対決こそがスーパーバンタム級における井上の最終戦にふさわしいのではないかと予測しました。ファンの夢とプロが語る現実。怪物の次なる一歩に、世界中の視線が注がれています。