伊勢ヶ浜親方に降格処分の衝撃 旧宮城野部屋OBからは「部屋再興」求める怒りの声
日本相撲協会は9日、臨時理事会を開き、弟子の幕内伯乃富士に暴力を振るった伊勢ヶ浜親方(元横綱照ノ富士)に対し、2階級降格と3か月間の報酬減額(10%)という懲戒処分を下しました。事端の発端は2月下旬、都内での会合中に泥酔した伯乃富士が後援者の知人女性に不適切な接触を図ったこと。これに激昂した親方が、弟子の顔面を拳と平手で殴打したといいます。伯乃富士本人も厳重注意を受けましたが、事態はこれだけで収まりそうにありません。
今回の騒動を受け、旧宮城野部屋の関係者からは伊勢ヶ浜親方の統率力を疑問視する声が相次いでいます。ある部屋OBは、伯乃富士の酒癖を把握しながら同席していた師匠の管理責任を指摘。リスク管理ができていなかったとした上で、暴力問題で部屋が閉鎖され、預かりの身となった弟子たちに対して再び師匠が暴力を振るったという事実に、預かりの意味がないと憤りを隠せません。
背景には、かつて元横綱白鵬が率いた旧宮城野部屋への複雑な思いがあります。元北青鵬の暴力問題に端を発し、白鵬は師匠の座を追われ、部屋は無期限閉鎖。力士たちは伊勢ヶ浜部屋へ転籍を余儀なくされました。さらに今年に入り、白鵬ゆかりの四股名から伊勢ヶ浜の象徴である富士を冠した名への一斉改名が行われたことも、リスペクトを欠く行為として旧宮城野側の不信感を強める要因となっています。
こうした中、待望論が浮上しているのが宮城野部屋の再興です。焦点となっているのは、3月の春場所で関取復帰を果たした炎鵬の存在。これにより年寄名跡取得の条件を満たした炎鵬を師匠に据え、散り散りになった旧宮城野の力士たちを再び呼び戻すべきだという声が強まっています。現宮城野親方(元横綱旭富士)は、条件を満たした力士への名跡譲渡と部屋復興への協力を公言していますが、今回の不祥事でその流れが加速する可能性も出てきました。
図らずも師匠としての資質を問われる形となった伊勢ヶ浜親方。看板を背負う立場として、揺らぐ信頼をどう取り戻すのか。そして宮城野の伝統を継ぐ力士たちの行く末に、ファンの熱い視線が注がれています。