神村学園、延長タイブレークで惜敗 エース龍頭「一球の重みを痛感」夏へ雪辱誓う
第98回選抜高校野球大会は25日、大会第7日の第1試合が行われ、神村学園(鹿児島)は智弁学園(奈良)と対戦。延長10回タイブレークの末、1―2で競り負け、2005年以来となるベスト8進出はあと一歩で届かなかった。
試合は両エースが譲らない緊迫の投手戦となった。神村学園の先発・龍頭汰樹投手(3年)は、初戦で優勝候補の横浜(神奈川)を無四球完封した勢いそのままに、この日も安定感のある投球を披露。四球はわずか1つと持ち前の制球力が光り、智弁学園打線に的を絞らせなかった。
失点は8回の犠牲フライによる1点のみ。9回まで最少失点でしのぎ、試合を延長へ持ち込んだ。
しかし、1―1で迎えた延長10回タイブレーク。無死一、二塁の場面で、先頭打者・角谷に対して追い込みながら投じた決め球のフォークがわずかに高く浮いた。打球は右前へ運ばれ、無死満塁。続く打者を三ゴロに打ち取ったものの、3番・太田に犠牲フライを許し、これが決勝点となった。
試合後、龍頭は悔しさをにじませながら、その場面を振り返った。
「角谷君へのフォークが浮いてしまいました。低めに集めるように言われていたんですけど、あの一球が高く入ってしまった」
一球が勝敗を分けた、まさに紙一重の勝負だった。
相手の智弁学園も、初戦で花巻東(岩手)を3安打完封した左腕・杉本が先発。神村学園打線は2回以降、わずか2安打に抑え込まれ、あと一本が遠かった。両校の意地がぶつかり合う息詰まる展開の中、最後まで流れを引き寄せきれなかった。
それでも、龍頭の表情には前を向く強さがあった。
「相手も気持ちの入った投球をしていたので、絶対に負けたくないと思って投げていました。今日、一球の大切さを本当に感じました。この悔しさを夏につなげたいです」
春の大舞台であと一歩届かなかった神村学園。だが、強豪相手に見せた粘りとエースの力投は、夏への期待を十分に感じさせた。悔しさを糧に、鹿児島の強豪が再び甲子園で逆襲を狙う。