元アビスパ木戸皓貴が選んだセカンドキャリアはキッチンカー スタジアムでベーグルを届ける新たな挑戦
現役を引退しても、その熱量が衰えることはない。かつてアビスパ福岡などでストライカーとして活躍した木戸皓貴さんが、新たな勝負の場として選んだのは、慣れ親しんだスタジアムの傍らだった。現在は妻の有佐さんと共に、キッチンカー「&ベーグル」を運営。ベーグルやハンバーガーの販売を通じて、かつて自分を鼓舞してくれたサポーターたちと直接向き合う日々を送っている。
熊本県出身の木戸さんは、名門・東福岡高校から明治大学を経て、2018年にアビスパ福岡でプロのキャリアをスタートさせた。しかし、その道のりは決して平坦なものではなかった。大学時代の両膝前十字靭帯断裂という大怪我を皮切りに、プロ入り後も度重なる故障に悩まされた。モンテディオ山形やラインメール青森、ヴィアティン三重と渡り歩き、トライアウトも経験。必死に現役の道を模索し続けたが、最終的には自身の体と向き合い、拠点を福岡に戻して新たな一歩を踏み出す決断をした。
飲食店という異業種に飛び込んだ理由は、何よりも「アビスパに関わり続けたい」という強い想いがあったからだ。スタジアムで提供できるスタイルを考え、たどり着いたのがキッチンカーだった。2025年11月にオープンした「&ベーグル」では、木戸さん自身が魅了されたベーグルをメインに展開。塩バターやあんこバターといった人気メニューに加え、スタジアムでの満足感を追求したボリューム満点のハンバーガーも好評だ。現在はホームスタジアムであるベスト電器スタジアムのほか、天神や住宅街などでも幅広く展開している。
木戸さんの活動は飲食業だけに留まらない。7人制サッカー「ソサイチ」のチーム「FUKUOKA CITY24」の代表兼選手としてピッチに立ち続け、就任初年度でチームを3部から1部へと昇格させる快挙を成し遂げた。さらに、古巣である東福岡のジュニアユースでの指導や女子サッカークラブの活動支援など、育成の現場にも深く関わっている。
ピッチの中ではストライカーとして、外では経営者や指導者として。形を変えながらも、サッカーと福岡への愛を体現し続ける木戸さんの挑戦は、これからも続いていく。将来は、かつて所属した山形や青森、三重のスタジアムにもキッチンカーで駆けつけたいと、次なる夢を描いている。