小学館マンガワン騒動の余波、現編集長への処分に同情の声も
小学館が運営する人気漫画アプリ「マンガワン」を舞台とした騒動が、いまだ波紋を広げている。ことの始まりは今年2月、過去に児童買春・ポルノ禁止法違反の罪で逮捕されていた漫画家の山本章一氏が、ペンネームを一路一に変更した上で新連載の原作者として起用されていた事実を同社が公表したことだった。さらに3月には、かつて集英社の作品で強制わいせつ罪により逮捕されたマツキタツヤ氏までもが、八ツ波樹という別名義で連載に関わっていたことが判明し、読者に大きな衝撃を与えた。
この事態を重く見た小学館は、第三者委員会の設置を決定。山本氏の事件における被害女性に対しては、弁護士を通じて電話での謝罪を行うなど対応に追われている。内部事情に詳しい関係者によれば、現在も調査は継続中だが、現段階でこれ以上の新たな不祥事は確認されていないという。
そうした中で、ひとつの節目となったのが現編集長への謹慎処分だ。しかし、この決定に対して社内からは複雑な声が上がっている。というのも、現編集長がポストに就いたのは昨年からのことであり、問題のある作家の起用を主導したとされる当時の責任者は、すでに同社を離れて別の漫画配信サイトへ移籍しているからだ。
「諸悪の根源ともいえる人物がすでに不在のため、組織としての責任追及には限界があるのが実情です。現編集長が責任を取らざるを得ない立場なのは確かですが、前任者の負の遺産を背負わされた形となり、周囲からは同情する声も少なくありません」と関係者は語る。
同アプリでは人気作「日本三國」のアニメ化が今春からスタートするなど、コンテンツとしての勢いは健在だ。失われた信頼を取り戻すため、地道な再発防止と誠実な運営が求められている。