那須川天心、再起戦でも公開採点に「関係ないっしょ」強敵エストラダと激突へ
格闘技界の至宝、那須川天心が運命の再起戦に向けて牙を研いでいます。両国国技館で開催されるWBC世界バンタム級挑戦者決定戦を翌日に控えた10日、都内で行われた前日計量に那須川が登場。リミットの53・5キロを一発でクリアし、対戦相手のフアンフランシスコ・エストラダとともに万全のコンディションをアピールしました。
今回のルールミーティングで注目を集めたのが、4ラウンド終了時と8ラウンド終了時にジャッジのスコアが公表される公開採点制度の採用です。那須川にとって記憶に新しいのが、昨年11月の井上拓真戦。序盤は軽快な動きでパンチをヒットさせていたものの、4ラウンド終了時点の採点は三者三様のドロー。この結果が精神的な焦りを生んだのか、中盤以降は井上の接近戦に苦しめられ、プロボクシング転向後初の黒星を喫することとなりました。
当時、この判定については4階級制覇王者の井岡一翔も、テレビの画面越しには那須川がリードしていてもおかしくなかったと指摘し、公開採点による心理的な影響が井上陣営に有利に働いた可能性を語っていました。それだけに今回も同様の形式がとられることに対し、ファンの間では不安視する声も上がっています。
JBCの安河内剛本部事務局長によれば、WBCは自身の立ち位置を把握した上で戦略を練るべきだという理念からこの制度を推奨しており、今回は両陣営ともに合意の上で実施されるとのこと。米国などでは拒否されるケースも多い異例のルールですが、那須川自身は全く動じていない様子です。
計量後の取材に対し、那須川は前回の敗戦について、ただで負けたわけではないと強調。自分自身がどう変わっていくかが重要であり、今回の試合で大きな変化を見せられると自信をのぞかせました。かつての決め台詞を彷彿とさせる、関係ないっしょ、気持ちっしょと言わんばかりの吹っ切れた表情からは、判定を気にする以上に、自らの拳で運命を切り拓こうとする強い決意が感じられます。
35歳のベテラン、エストラダという高い壁を乗り越え、再び世界の頂点へと駆け上がることができるのか。進化した天心のボクシングに日本中の視線が集まっています。