那須川天心がエストラダを病院送りにした恐怖の左ボディー、復活を支えた師弟の絆
プロボクシング転向後、真価を問われる一戦に臨んだ那須川天心が、メキシコのレジェンドを圧倒する衝撃の結末を見せつけました。11日に両国国技館で行われたWBC世界バンタム級挑戦者決定戦。同級2位の那須川は、同1位のフアンフランシスコ・エストラダを相手に、9ラウンド終了TKOという文句なしの勝利を収めました。
試合を決めたのは、まさに相手の心をへし折るような左ボディーでした。昨秋の井上拓真戦で喫したプロ初黒星を糧に、那須川は大きな決断を下していました。キックボクサー時代にボクシングの基礎を叩き込まれたグローブスジムの葛西裕一トレーナーと再びタッグを結成。かつての師の下で、ボディー打ちをはじめとする接近戦の技術を徹底的に磨き上げてきたのです。
その成果は序盤から明らかでした。2階級制覇の実績を持つエストラダに対し、那須川の鋭い左が何度も脇腹を捉えます。1ラウンドと7ラウンドにはボディーで大きくぐらつかせる場面もあり、最終的にエストラダ側が棄権を選択。試合後に病院へ直行したエストラダに代わり、プロモーターは「試合が止まる2ラウンドも前から激痛を訴えていた。骨折を疑うほどのダメージだった」と、その破壊力を証言しました。
葛西トレーナーも、練習中に那須川のパンチを受け「何度も悶絶させられそうになった」と苦笑い。かつて接近戦のパンチを10センチの爆弾と表現し、那須川を感心させた名指導者ですが、今回の決め手となった一撃に名前をつけるよう問われると、そういうキャラじゃないからと照れ笑いでかわす一幕もありました。名称こそ決まっていないものの、この恐怖のアバラ折りが、世界王座奪還を目指す神童にとって最大の武器になったことは間違いありません。