五輪金メダルのりくりゅうが引退発表、日本ペア界の歴史を変えた開拓者の功績
フィギュアスケートのペア競技で日本勢初となる五輪金メダルを獲得し、日本中に感動を届けた三浦璃来、木原龍一組(木下グループ)が、今季限りでの現役引退を表明した。通称「りくりゅう」の愛称で親しまれた二人は、ミラノ・コルティナ五輪での頂点へと駆け上がるまで、まさに日本のペア界におけるパイオニアとして険しい道を切り拓いてきた。
木原がペアの世界に身を投じた2013年当時、日本のフィギュア界はシングルにおいて世界屈指の層の厚さを誇っていたが、カップル競技は苦境に立たされていた。14年のソチ、18年の平昌と二度の五輪に出場した木原は、かつての自分を振り返り、シングル選手の活躍に頼れば団体戦でメダルが取れるのではないかという甘い考えがあったと率直に明かしている。
転機となったのは、2019年の三浦との出会いだった。直感的に相性の良さを感じ取った二人は、そこから凄まじいスピードで進化を遂げる。22年の北京五輪団体戦で銀メダル獲得に貢献すると、今回のミラノ・コルティナ五輪では団体銀に加え、個人戦で悲願の金メダルを奪取。これまではシングルスケーターが大会の主役を担うことが多かった日本フィギュア界において、関係者が「今大会の顔は間違いなく、りくりゅうだ」と口を揃えるほどの存在感を示した。
二人が残した功績は、単なるメダルの数だけではない。彼らの背中を追うように、今春の世界選手権で4位入賞を果たした「ゆなすみ」こと長岡柚奈、森口澄士組といった若手の台頭も目覚ましい。引退にあたり二人はSNSを通じて、今後もペア競技の魅力を広めるために新たな挑戦を続けていく決意を綴っている。不毛の地と呼ばれた日本のペアに黄金時代をもたらした二人の物語は、これからも形を変えて続いていく。