鷹の主砲・山川穂高が描く放物線と封印された「どすこい」への渇望
パ・リーグ首位を走るソフトバンクが16日、北九州での楽天戦で6-0と圧倒的な強さを見せつけました。柳田悠岐の先制3ランや先発・大津亮介の11奪三振という快投に沸く中、改めてその存在感を示したのが山川穂高内野手です。
5番・一塁でスタメン出場した山川は、4点リードで迎えた3回、相手先発・藤原の初球を完璧に捉えました。左翼ポール際へ飛び込んだ第5号ソロは、本人も「うまく反応できた」と振り返る納得の一打。これで本塁打数はリーグ2位タイとなり、2年ぶりのキング奪還へ向けて着実に歩みを進めています。
しかし、グラウンド上での躍動とは裏腹に、球団関係者の間ではある「寂しさ」を口にする者も少なくありません。それは今季から封印されている、本塁打後の「どすこいパフォーマンス」についてです。
かつて松田宣浩氏が「熱男!」で球場を一つにしたように、山川の「どすこい!」もまたファンとの絆を象徴する儀式でした。ある関係者は、選手と一緒に喜びを表現できる瞬間はどんなイベントにも勝る集客力があると指摘。子供たちが球場に足を運ぶきっかけにもなっていただけに、もし今季も披露されていたらという思いが交錯するのは自然な流れと言えるでしょう。
もちろん、山川本人がパフォーマンスを封印したのは、並々ならぬ覚悟の表れでもあります。オフから「バットでファンを喜ばせる」と決意し、黙々と振り込みを続けてきた経緯を考えれば、周囲も安易に再開を求めることはできません。
そこで今、静かに期待されているのが「どすこいの後継者」の誕生です。栗原陵矢や野村大樹、あるいは台頭しつつある若手候補たち。その条件は、年間30本近くを打てる長距離砲であることです。披露する機会が多ければ多いほど、パフォーマンスはファンの心に深く刻まれます。
山川がバットで信頼を積み重ねる一方で、ファンを熱狂させる次なる「長距離パフォーマー」は現れるのか。鷹の新たな象徴となるスターの出現を、誰もが待ち望んでいます。