ソフトバンク上沢直之が古巣に捧げた全12球団勝利!北海道産の誇り胸に116球の恩返し
これぞエースの矜持というべきか。ソフトバンクの上沢直之投手が11日、エスコンフィールドで行われた日本ハム戦に先発し、7回2失点の力投で今季初白星を挙げた。この勝利により、プロ野球史上23人目となる全12球団からの勝利という大記録を達成。かつて自らを育んだ北の大地で、メモリアルな瞬間を迎えた。
マウンド上の上沢は、終始気迫に満ちていた。圧巻だったのは4点リードで迎えた7回裏のピンチだ。二死満塁という、一打同点の緊迫した場面。打席に日本ハムの主砲レイエスを迎えると、カウント2-2からの7球目、渾身の外角低めストレートを投げ込んだ。この日最速タイとなる152キロの真っすぐに、レイエスは手が出ず見逃し三振。116球目の雄叫びとともにマウンドを降りる姿には、エースの執念が宿っていた。
試合後、上沢は「北海道で僕のキャリアはスタートした。たくさんの感謝の気持ちを持ちながら投げました」と感慨深げに語った。2011年のドラフト6位指名から始まったプロ生活。米国挑戦を経て昨季ホークスに加わった右腕にとって、この地は特別な場所だ。ポスティング制度を利用して渡米した経緯もあり、同一リーグのライバル球団への移籍には一部で厳しい声もあったが、この日のヒーローインタビューでは、敵地であるはずの球場全体から温かい拍手が送られた。
「まさか、そんな選手になれるとは思っていなかった」と、本人が驚きを口にした12球団勝利。北海道の風土に育まれ、18歳でプロの門を叩いてから15年。自らを「北海道産」と表現した32歳は、最高の恩返しとなるパフォーマンスでチームをファイターズ戦4連勝へと導いた。捕手の海野を信じ、しびれる場面を乗り越えたその投球は、まさに新生ホークス投手陣の柱にふさわしい輝きを放っていた。