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米イラン歴史的な直接交渉は決裂 2週間の停戦に透ける両国の「再武装」という思惑

高橋 恒一

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バンス米副大統領

1979年のイラン革命以来、実に47年ぶりとなる米国とイランによる最高レベルの直接対面交渉が、合意に至らぬまま幕を閉じました。仲介役を務めたパキスタンの首都イスラマバードで今月12日、米国のバンス副大統領とイランのガリバフ国会議長が、21時間にも及ぶマラソン協議を展開。戦争終結に向けた歴史的な一歩になるかと期待されましたが、両者の溝は最後まで埋まりませんでした。

会談後、バンス氏は報道陣を前に、合意に達しなかったことは米国よりもむしろイランにとってのバッドニュースだと強調しました。交渉のテーブルでは、イラン側がウラン濃縮の権利や経済制裁の解除、戦争補償など10項目を提示したのに対し、米国側は核開発の永久放棄を含む15項目を要求。最大の障壁となったのは、イランが将来にわたる核兵器開発の放棄を拒んだ点でした。バンス氏は、自国のレッドラインを明確にした上で帰路に就くと語り、妥協の余地がないことを示唆しています。

しかし、今回の会談が持った意味は決して小さくありません。最高指導者ハメネイ師が米イスラエル軍の空爆によって殺害され、イランが報復を誓っていた最悪のタイミングで、敵対関係にある両高官が握手を交わし、冷静に議論を交わしたこと自体が異例中の異例といえます。

では、なぜ出口の見えない交渉を前に両国は2週間の停戦に踏み切ったのでしょうか。そこには「和平」とは程遠い、極めて現実的な計算が働いているようです。米国側としては、トランプ大統領が国内向けに情勢をコントロールしている姿勢をアピールしつつ、エネルギー市場の混乱を抑え、弾薬やミサイルの補充を行うための時間を稼ぐ狙いがあります。対するイラン側も、米国の進軍を止めたという宣伝効果に加え、空爆で入り口を破壊された地下ミサイル施設の復旧作業を急ぐ必要があるため、この停戦は「再武装のための休息」に過ぎないという見方が強まっています。

事実、停戦期間中でありながらイスラエルはレバノンへの攻撃を継続し、イランもホルムズ海峡の封鎖を緩めておらず、緊張緩和の兆しは見られません。専門家の間では、停戦明けに米国がイランのエネルギー施設への空爆や、石油輸出の要衝であるカーグ島の占領、さらには高濃縮ウランの強制的排除といった強硬な軍事オプションに踏み切る可能性も指摘されており、中東情勢は再び激動の局面を迎えようとしています。

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