自民党大会での国歌斉唱が波紋 自衛隊員の登壇は法律違反か 小泉防衛相は投稿削除
今月12日に都内で開催された自民党大会を巡り、思わぬところで議論が沸騰しています。事の発端は、開会時の国歌斉唱でした。この大役を務めたのが、陸上自衛隊中央音楽隊に所属する鶫真衣3等陸曹だったのです。
司会を務めた平沼正二郎衆院議員から、陸上自衛隊が誇るソプラノ歌手として紹介された鶫氏。制服姿で堂々と歌い上げる様子はネットでも中継されましたが、これに対し、政府主催ではない一政党の行事に現役隊員が参加することは、自衛隊法が禁じる政治的行為に該当するのではないかという指摘が相次いで寄せられました。
こうした批判に対し、自民党の鈴木俊一幹事長は13日の記者会見で反論しました。企画会社からの提案を受けて個人として依頼した経緯を説明した上で、国歌を歌うこと自体に政治的な意味はなく、自衛隊法に抵触するものではないとの認識を示しています。
しかし、現場の熱気とは裏腹に、政権内部では慎重な動きも見られました。小泉進次郎防衛相は大会直後、自身のXで鶫氏の歌声を称賛し、自衛隊の音楽隊を誇りに思うと感謝を綴っていましたが、後にこの投稿を削除。火に油を注ぐ形となり、ネット上では困惑の声が広がっています。
この事態を重く見ているのが野党側です。立憲民主党の田島麻衣子参院議員はXで、政治的中立を守るべき自衛隊が特定政党の行事でパフォーマンスを行うことは、文民統制の形骸化を招くと厳しく批判。自衛隊は自民党の組織なのかと疑問を呈しました。
華やかな党大会の裏で浮上した、自衛隊の政治的中立性を巡る法解釈の問題。今後、国会の場でも激しい論戦が繰り広げられることになりそうです。