松井一郎氏、3度目の大阪都構想に懸念 住民投票の対象拡大へ「納得できない意識が広がる」
前大阪市長の松井一郎氏が6日、ラジオ大阪OBC「藤川貴央のちょうどええラジオ」に出演し、再び動き出している大阪都構想をめぐって自身の見解を語った。
きっかけとなったのは、先月31日に自民党と日本維新の会が「副首都法案」の骨子を取りまとめたこと。これを受けて吉村洋文知事は今月1日、大阪都構想の住民投票について、対象を大阪府全域に広げることも可能との認識を示していた。
大阪都構想はこれまでに2度、住民投票が実施されてきたが、いずれも僅差で否決。3度目の実施に向けた議論が進む中で、今回の焦点のひとつが「誰が投票するのか」だ。
番組で松井氏は、2012年に成立した「大都市法」の経緯にも触れた。当時、橋下徹氏とともに都構想の実現を掲げて大阪府知事と大阪市長に就任したとしたうえで、「大阪の形を変えるには法律が必要だった」と回想。野党だった自民党の菅義偉氏に相談し、座長として国会を取りまとめてもらった結果、自民・公明・民主による議員立法で成立したと振り返った。
その法整備の過程では、自治体再編を住民投票ではなく議会判断で進めてもよいのではないかという考えもあったという。ただ、橋下氏は大阪市の歴史を重く見て、「大阪市をなくして特別区に再編する以上、最終判断は市民に委ねるべき」と主張。一方で松井氏自身は、大阪市内への影響が大きいことを前提にしながらも、大阪府全体にも影響が及ぶことから、府民が対象となる考え方にも一定の理解を持っていたと明かした。
ただ、今回の対象拡大案には慎重な姿勢もにじませた。3度目の住民投票で「府民も対象に含めるか」が決まるのは6月とされる中、松井氏は「50年後を考えれば『大阪都』にするのがベスト」としつつも、過去2回の投票で大阪市民が悩み抜いた末に判断を下したことを強調。「280万人の大阪市民ではなく、880万人の大阪府民で投票するとなれば、判断がズレたときに納得できないという意識が広がる」と懸念を口にした。
さらに、松井氏は橋下氏とともに維新の会を立ち上げた後、住民投票実施に向けて5年間、ほぼ毎日のように街頭で説明を続けてきたとも説明。今月5日から始まった維新市議団と市民による対話集会「タウンミーティング」には吉村氏が出席していないことにも触れ、あらためて住民に対する丁寧な説明が欠かせないとの考えを示した。