旧統一教会めぐる新団体「FFWPU」報道に波紋 紀藤弁護士が“韓国送金”の可能性を指摘
世界平和統一家庭連合(旧統一教会)をめぐり、新たな動きが報じられ、波紋が広がっている。3月に東京高裁から解散を命じられた同団体の元幹部らが、新宗教団体「FFWPU」を立ち上げると、4月8日に朝日新聞などが伝えた。
報道では、新団体の代表に旧統一教会の会長だった堀正一氏が就き、信者からの献金も受け付けるとされている。
一方で、この報道直後には、家庭連合の元広報渉外局を名乗るアカウントが「X」を通じてリリース形式の声明を投稿。「4月8日に『FFWPU』という名称の新団体を設立するとの一部報道は事実ではない」と否定した。そのうえで、10万人以上の信徒を抱える宗教団体として、解散命令後も信徒が信仰生活を続けられるよう検討は進めているものの、現時点で決まったことはないとしている。
こうした発信に対し、全国統一教会被害対策弁護団の副団長を務める紀藤正樹氏は、投稿そのものに疑問を投げかけた。「まだ決まっていないと発表する権限がどこにあるのか不思議」としたうえで、日本側に明確にそう言い切れる権限はないとの見方を示し、韓国側の指示、あるいは韓国の意向を受けた幹部信者による投稿だった可能性に言及した。
旧統一教会をめぐっては、2022年に山上徹也被告による安倍晋三元首相銃撃事件をきっかけに、高額献金の問題が改めて社会の注目を集めた。東京高裁は献金の悪質性を重く見て、解散を命じている。
解散命令によって、教団は宗教法人格を失うことになり、固定資産税など宗教法人として受けていた非課税の優遇措置も受けられなくなる。ただし、任意団体として宗教活動を続けること自体は可能だ。一方で、教団財産は清算人の管理下に置かれ、これまでの教団施設も使用できなくなる。
さらに韓国でも、尹錫悦前政権側に金品を渡したとして、政治資金法違反などの罪に問われている教団総裁・韓鶴子被告の公判が進んでおり、教団は国内外で大きな局面を迎えている。
紀藤氏は、新団体設立の動きが事実であれば、その狙いについても踏み込んだ見方を示した。後継組織として想定されているのは、直接海外送金ができるような枠組みではないかとし、日本国内に資金をとどめるより、韓国へ送金することが目的になっている可能性があると推察している。
仮に名称を変えて再び献金を募る形になれば、解散命令の実効性そのものが問われかねない。ただ、紀藤氏は「解散命令は法人格のはく奪に過ぎない」として、解散命令がすべてを止める“万能”の措置ではないとも指摘する。
そのうえで、最高裁が問題視したのはあくまで献金勧誘のあり方だと強調。もし新たな団体で再び過酷なノルマを伴うような献金集めが行われれば、別の深刻な問題を招くおそれがあるとして、強い警戒感をにじませた。